別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました
『あけましておめでとうございます。気を付けて帰ってきてくださいね』

 何度も見返した簡単なやりとり。こうしてみると、芹那にされた話が全部夢だったような気がしてくる。

『俺は、これからもずっと君といたい』

 初めて肌を合わせた夜、彼の胸の中で聞いた言葉を信じたい。佳純は時間と共に前向きに考えられるようになっていた。

(とにかく、一度会ってちゃんと話さなきゃだめだよね。瞬さんがどう考えてるか聞いてみなきゃ)

 不安だけれど、瞬が帰ってきたら話す時間を作ってもらおう。

 ぼんやりとスマートフォンを眺めていると、静かな部屋にインターホンの音が鳴り響く。

(誰だろ。新年早々変な訪問販売かな)

 嫌な予感がし、佳純は物音を立てないようにそっとドアに近づきドアスコープを覗いた。

「え、叔父さん?」

 そこには叔父が立っていた。

(これまで電話がかかってきたの無視していたから、家まで来ちゃったの?)

 息を殺していると、叔父はドアをドンドンと叩き始めた。

「佳純、突然来てすまない! お願いだから少し話を聞いてくれないか」

 外で騒がれるのは近所迷惑になる。佳純は深いため息をついてしぶしぶドアを開ける。
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