別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました
(不安が顔にでちゃってたかな……実際、最近胸がつかえて食事が喉を通らないんだけど)

 アパートに叔父がやってきて、とんでもない事を告白されて数日、佳純はずっと考え続けていた。

 叔父は自分の犯した罪をきちんと償うべきだ。渡せるお金なんて無いし、もちろん叔父の言う方法で稼ぐつもりもない。

 そうなったとき、自分はもう瞬と一緒にいない方がいいのではないか。

 出世が見込まれる将来有望の警察官の恋人の親族に犯罪者がいていいはずはない

『そうね、今はあなたと付き合っているかもしれない、でも私と結婚すれば彼は今よりもっと仕事がしやすくなるの。彼は警察組織内でどう振舞えばいいか冷静に判断すると思うわ』

 芹那の言葉が頭に浮かぶ。冷静に考えなくても、佳純は彼の足を引っ張るだけの存在だ。
 自分が瞬を信じたいとか、彼の気持ちがどうとか言っている場合ではない。

(叔父さんが横領で逮捕されるって聞いたら瞬さんだって私と付き合い続けたいなんて思わないはず)

 彼と会えないまま、話せないままずっとウジウジ悩んでいる。最後に会ってからもうすぐ一か月経とうとしていた。
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