転生したガーデナーは、悪役令嬢の夢を見ない
 ただ、デリーが立太子するのであれば、邪魔をさせたくはない。
 彼のことが好きだからこそ、彼が成すべきと思っていることに関しては、まぁ、いろいろ思うところはあれど協力したいわけなのよね。

「ただ、この事実自体は書き記しておこう。私に万一のことがあったとしても、大丈夫なようにね」

 私は引用元のページ数なんかも丁寧に記載し、古代セルート語の本については現代語の翻訳も添えて、書き付けた。
 それを数枚同じものを書く。

 うーん。コピー機やパソコンが欲しいところね。
 その一つは側妃レテシア殿下へ、もう一つはエーグル辺境伯家のお父さまへ。そして、一通はお爺さまに預かって頂く。

 これだけ分散しておけば大丈夫でしょ。
 あとは、何かあったときに、私がうっかり国王陛下や新聞社に送りつけてしまわなければ、何も問題ないわ。

 明日からまた寮生活。
 クレオメガ公爵令嬢が絡んでこないと良いなぁ。

 ……なんてこれ、またしてもフラグになっちゃうんだけどね。
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