転生したガーデナーは、悪役令嬢の夢を見ない
デリーがちょうど剣技を追えたところだった。
目が合ったので手を振れば、にこにこと笑って私に手を振る。それに気付いた近くにいたウェスタ兄さまも手を振ってくれた。
「ふふ。仲がよろしいですわね」
「うちの兄弟は、末っ子の私に甘くて」
ルイベ嬢にそう言えば、彼女はくすくすと笑って首を振る。
「第一王子殿下とですよ。見ていて羨ましくなるくらいの、睦まじさですわ」
「そ、そう?」
思わず顔を赤らめてしまう。他人に言われると、なんだか恥ずかしいわね。
そのまま、デリーとウェスタ兄さまは、教師と他の生徒と共に奥の武器庫に移動してしまった。
稽古場には第二王子と、その側近が残っている。いや、お前らも移動しろよ。
「キュノさま! これを召し上がってくださぁい」
全ての語尾にハートがついていそうな甘ったるい話し方をする、窓の下の女生徒は、何かを第二王子に手渡していた。
「え……受け取った?」
思わず私が零した言葉に、同じように様子を見ていた生徒達は、ごくり、とつばを飲み込んだ。
通常、王族は婚約者やその家族以外から直接食べ物を受け取ったりはしない。
それはもちろん、毒殺を疎んで、ということもあるが、それと同時に、惚れ薬のようなおかしな薬を盛られる可能性をも避けるためだ。
「クレオメガ公爵令嬢!」
「わかっていてよ」
目が合ったので手を振れば、にこにこと笑って私に手を振る。それに気付いた近くにいたウェスタ兄さまも手を振ってくれた。
「ふふ。仲がよろしいですわね」
「うちの兄弟は、末っ子の私に甘くて」
ルイベ嬢にそう言えば、彼女はくすくすと笑って首を振る。
「第一王子殿下とですよ。見ていて羨ましくなるくらいの、睦まじさですわ」
「そ、そう?」
思わず顔を赤らめてしまう。他人に言われると、なんだか恥ずかしいわね。
そのまま、デリーとウェスタ兄さまは、教師と他の生徒と共に奥の武器庫に移動してしまった。
稽古場には第二王子と、その側近が残っている。いや、お前らも移動しろよ。
「キュノさま! これを召し上がってくださぁい」
全ての語尾にハートがついていそうな甘ったるい話し方をする、窓の下の女生徒は、何かを第二王子に手渡していた。
「え……受け取った?」
思わず私が零した言葉に、同じように様子を見ていた生徒達は、ごくり、とつばを飲み込んだ。
通常、王族は婚約者やその家族以外から直接食べ物を受け取ったりはしない。
それはもちろん、毒殺を疎んで、ということもあるが、それと同時に、惚れ薬のようなおかしな薬を盛られる可能性をも避けるためだ。
「クレオメガ公爵令嬢!」
「わかっていてよ」