転生したガーデナーは、悪役令嬢の夢を見ない
 側妃派と中立派の中で側妃派に近かった貴族、それに完全に中立だった貴族は、こぞってエーグル辺境伯についた。
 そして、気付けば一大連合国となっていたのだ。

 代表としてお父さまが束ねる立場になっているけれど、その実、裏で動かしているのはお母さま。
 他の領地も、それぞれが自治権を持っているので、万一元ハッグス王国、今のワストル王国や、他の国が戦争をしかけてきたときに、武門の家である我がエーグル辺境伯家が先頭に立って戦う、そういう形式だ。
 ちょっと戦国時代みたいね。

「ワストル王国との境に植えたタケッティも、すくすく育ってるみたい」

 タケッティの植栽も上手くいってる。
 うちの領地でやっていた温室も、少しずつ広めていってるので、プロメスの弟子がどんどん増えていってるとか。

「それにしても、イリスのドレスの色が悩ましいわよねぇ」
「テレイア、私もそこが気になっていたのよ」
「え。別に黒で良くない?」

 デリーの髪の毛と瞳の色だ。

「イリス? 春のパーティは、あなたたちの結婚式でもあるのよ?」
「レテシアの言うとおりよ。花嫁さんなんだから、白を」
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