転生したガーデナーは、悪役令嬢の夢を見ない
「デリー……って、あの、デリーなの? 戦争が始まるまで、一緒に過ごしていたデリー?」
「ああ。あのデリーであっているよ、イリス」
お父さまがにっこりと笑って、悪くないだろう? という顔をした。
「知らない人と婚約するよりも、全然良いわ!」
「父上! 本気ですか? あいつ──彼は!」
「ウェスタ兄さま?」
一人反対しているウェスタ兄さまに声をかけると、兄さまはハっとした顔で私を見る。
「イリスはそれで良いのか?」
「うーん。会ったことがない人で、私に酷いことをするような人と婚約するよりも、デリーなら安心かな……って」
例えば第一王子とかね。
私という婚約者がいるのに、浮気するような男はお断り。デリーについては、男性として見たことはないけど、少なくとも一緒に遊んでいたときに、嫌な思いをしたことはない。兄さま達と同じように、私に優しくしてくれたから、きっと大丈夫だと思うのよね。
「じゃぁ、話は進めるわね」
「はい、お母さま。大丈夫です」
ウェスタ兄さまは、ため息を一つ吐いたあと、私の頭を撫でながら笑った。
「イリス、何かあればすぐに兄さまに言うんだぞ。一人で抱え込んだりしたらダメだからな」
「ウェスタ兄さまったら、私が今すぐにお嫁に行くみたいに言うのね」
「嫁に行く前だって、何があるかわからないだろ?」
「……そうね。わかった。何かあればすぐに、ウェスタ兄さまに言うわ!」
「ああ。あのデリーであっているよ、イリス」
お父さまがにっこりと笑って、悪くないだろう? という顔をした。
「知らない人と婚約するよりも、全然良いわ!」
「父上! 本気ですか? あいつ──彼は!」
「ウェスタ兄さま?」
一人反対しているウェスタ兄さまに声をかけると、兄さまはハっとした顔で私を見る。
「イリスはそれで良いのか?」
「うーん。会ったことがない人で、私に酷いことをするような人と婚約するよりも、デリーなら安心かな……って」
例えば第一王子とかね。
私という婚約者がいるのに、浮気するような男はお断り。デリーについては、男性として見たことはないけど、少なくとも一緒に遊んでいたときに、嫌な思いをしたことはない。兄さま達と同じように、私に優しくしてくれたから、きっと大丈夫だと思うのよね。
「じゃぁ、話は進めるわね」
「はい、お母さま。大丈夫です」
ウェスタ兄さまは、ため息を一つ吐いたあと、私の頭を撫でながら笑った。
「イリス、何かあればすぐに兄さまに言うんだぞ。一人で抱え込んだりしたらダメだからな」
「ウェスタ兄さまったら、私が今すぐにお嫁に行くみたいに言うのね」
「嫁に行く前だって、何があるかわからないだろ?」
「……そうね。わかった。何かあればすぐに、ウェスタ兄さまに言うわ!」