転生したガーデナーは、悪役令嬢の夢を見ない

第7話 ガーデニング事始めとドレスの準備

 朝食を済ませたら、ドレスを木綿のワンピースに替える。
 丈も短め──とはいっても、この世界ミニスカートなんてもってのほかという、いわゆるロングドレスワールドなので、せいぜいくるぶしより少し上、といったところだけれど。

 それでも、ボリューム満点のパニエを履く必要がないので、体も楽だし動きやすい。
 それに木綿であれば、洗いやすいのだ。つまり……

「安心して、土いじりができるってものよね!」
「爪の中に土が入り込まないように、手袋はなさってくださいね」
「う……わかってるわ」

 貴族令嬢の爪が、黒ずんでいるのはマズいものね。
 さすがにわかるわ。それがよろしくないということくらいは。
 日傘を差して作業するわけにはいかないので、つばが大きめの帽子を被る。

 私はいつも髪の毛をひっつめているけれど、そのお団子が入っちゃうくらいのサイズの帽子を用意して貰った。 
 腕に関しては日焼け防止で長袖を着ているけれど、そのうち腕まくりしてしまいそう。

「さぁ! ホロ爺始めましょう」
「準備は万端ですよ。苗も種も用意しておきましたからね」

 昨日、ガゼボでホロ爺と何を育てるかの年間計画を立てたのだ。
 ガーデニングというのは、計画性が大切で、どのタイミングで種を蒔くか、苗を植え付けるか、そして植え替えをするかはしっかりと考えておかないと、土作りを含めて、時期を外してしまう。
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