転生したガーデナーは、悪役令嬢の夢を見ない
お母さまの言葉に、私たち──つまりお兄さまを入れて五人は、皆目を見開く。
くわ、と音がしそうだ。
だって、世紀の大恋愛でもしたのかと思うじゃない。他国の姫君との婚約があるのに、となると。
「テレイア、話すのか?」
「あなた、もうきちんと皆に話しても良いと思うの。じゃないと、あの子がかわいそうだわ」
お父さまとのやりとりを見るに、これは国王がなにかやらかした……のかもしれない。
「側妃には、婚約者がいたんだけど、その人が病で儚くなってしまってね。悲しみに暮れた彼女は、婚約者を墓地で見送ったあと、修道院に行こうと家を飛び出してしまったの」
話によるとこうだ。
家を飛び出した彼女は修道院に向かう途中で、国王──当時の王太子に、出会ったらしい。
お忍びで街にきていた王太子は、修道院に向かうために質素な格好をしていた側妃に一目惚れし、王城に連れ帰ってしまった。
相手が王族だとわかり、伯爵令嬢である彼女は強く出ることもできなくなる。
そのまま部屋に押し込められ、無理矢理褥を共にさせられてしまった。
なんだこのクソ男は。
くわ、と音がしそうだ。
だって、世紀の大恋愛でもしたのかと思うじゃない。他国の姫君との婚約があるのに、となると。
「テレイア、話すのか?」
「あなた、もうきちんと皆に話しても良いと思うの。じゃないと、あの子がかわいそうだわ」
お父さまとのやりとりを見るに、これは国王がなにかやらかした……のかもしれない。
「側妃には、婚約者がいたんだけど、その人が病で儚くなってしまってね。悲しみに暮れた彼女は、婚約者を墓地で見送ったあと、修道院に行こうと家を飛び出してしまったの」
話によるとこうだ。
家を飛び出した彼女は修道院に向かう途中で、国王──当時の王太子に、出会ったらしい。
お忍びで街にきていた王太子は、修道院に向かうために質素な格好をしていた側妃に一目惚れし、王城に連れ帰ってしまった。
相手が王族だとわかり、伯爵令嬢である彼女は強く出ることもできなくなる。
そのまま部屋に押し込められ、無理矢理褥を共にさせられてしまった。
なんだこのクソ男は。