転生したガーデナーは、悪役令嬢の夢を見ない
「王妃派としては、側妃派の我が家が戦争で功績をあげたことで、勢いを増すことを恐れているのでしょうね」

 なるほど。そして、我が家の中で一番弱っちいのは私。
 だから私が狙われたのかな。
 まさかここまで溺愛されているとも思わなかったのかもしれない。

「まぁ、とにかくだな。今度の王城のパーティでは、皆、気を引き締めておけ」

 お父さまの言葉に、私たちは大きく頷いた。

   ***

 イリスが狙われた。
 十中八九、黒幕は正妃だろう。

 クソ……! イリスのことは僕が守らないといけないのに。
 むざむざと危険に晒してしまった。
 自分に腹が立つ。

 いや、それよりも正妃だ。
 これから先も、きっとイリスのことを狙い続けるだろう。
 僕は絶対にイリスを守る。

「イリス……。君を悪役令嬢になんかさせないし、これ以上危険な目にもあわせるもんか」
 
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