転生したガーデナーは、悪役令嬢の夢を見ない
第11話 婚約者との再会
エーグル辺境伯領から王都までは、馬車で二週間ほどかかる。
馬車の場合は。
ただし走竜と呼ばれる竜が牽く馬車──竜車か──であれば、ほんの一晩ですむ。
「走竜を使いこなせるのは、うちの領の人間だけだけどね」
例えるならば、在来線と新幹線ほどの差がある。
そして、走竜はスピードが速いので、ほぼ地面に車輪がついていない。
なので妙な揺れもなく、快適なのだ。
昨夜お爺さまが領地に戻ってきて、私たちが朝にはもう領地を出た。
久しぶりにお会いしたお爺さまと、たくさんおしゃべりしたかったけど、こればかりは仕方がない。
お爺さまったら、私のこと離そうとせずに「婚約なんて辞めちまえ」なんて言い出すし。
まぁね、私も第一王子と婚約する危機を乗り越えられるなら、この婚約はなくなっても別に良いかなとは思ってるけど。
でもそれは、他の人との婚約もない、という前提だ。
知らない人と婚約するなら、デリーとの方が良いもん。
前世の記憶が戻る前だったし、一桁台の年齢のときだったから、恋の好きとは違うかもしれないけど、でもデリーのことは好きだなって思ってたしね。
やだ。
自分で思い出して少し恥ずかしくなっちゃう。
馬車の場合は。
ただし走竜と呼ばれる竜が牽く馬車──竜車か──であれば、ほんの一晩ですむ。
「走竜を使いこなせるのは、うちの領の人間だけだけどね」
例えるならば、在来線と新幹線ほどの差がある。
そして、走竜はスピードが速いので、ほぼ地面に車輪がついていない。
なので妙な揺れもなく、快適なのだ。
昨夜お爺さまが領地に戻ってきて、私たちが朝にはもう領地を出た。
久しぶりにお会いしたお爺さまと、たくさんおしゃべりしたかったけど、こればかりは仕方がない。
お爺さまったら、私のこと離そうとせずに「婚約なんて辞めちまえ」なんて言い出すし。
まぁね、私も第一王子と婚約する危機を乗り越えられるなら、この婚約はなくなっても別に良いかなとは思ってるけど。
でもそれは、他の人との婚約もない、という前提だ。
知らない人と婚約するなら、デリーとの方が良いもん。
前世の記憶が戻る前だったし、一桁台の年齢のときだったから、恋の好きとは違うかもしれないけど、でもデリーのことは好きだなって思ってたしね。
やだ。
自分で思い出して少し恥ずかしくなっちゃう。