転生したガーデナーは、悪役令嬢の夢を見ない
第13話 領地を駆け巡る農業アドバイザー
領地に戻ってきて二年と数ヶ月。私も十四歳になった。
これまでは、デリーは私の誕生日を含めて年に数回は、領地に遊びに来てくれる。
それ以外は手紙をたまにやりとりするくらい。
私は、といえば毎日領内を駆け回っていた。
「お嬢さま! ナスティの葉にこんな」
土手を馬でゆっくりと駆けていると、畑から領民の声がする。
畑の方に降りていき、話を聞けば、ナス……じゃない。ナスティの葉に大きな斑模様が出ていた。
ナス褐斑病という前世の病気に近いけれど、この世界では原因が少し違う。それが植えられている土を握ってみた。
「少しベトベトしているわね。土の中に悪い虫が増えている可能性がある」
「それはもしや」
「ええ。ボージョロヨー虫だと思うわ。触っても平気な虫だけど、ナスティやトマティッレの根と葉を食い荒らすから、駆除しないと」
前世ではそういう虫は、見つけ次第手で潰していた。
絶対に許すまじ……絶許、絶許、と呟きながら駆除していたけれど、さすがに領民の前でそれをするわけにはいかない。
ちなみに、土の中の虫を掘り起こして見つけたときは、問答無用で可燃ゴミの袋にいれていたな。
一匹いると、数十匹は同じエリアから出てくる、恐ろしい虫だった。
それと、この世界では基本的に虫は素手で触らない。どんな毒を持っているかわからないからだ。
前世のそうした記憶と、今の世界の農業知識を持っている私は、知識で知っていることを、どう落とし込んでいくかまでしっかり理解できる。
不安そうな顔をしている数人の領民達に、笑みを返す。
これまでは、デリーは私の誕生日を含めて年に数回は、領地に遊びに来てくれる。
それ以外は手紙をたまにやりとりするくらい。
私は、といえば毎日領内を駆け回っていた。
「お嬢さま! ナスティの葉にこんな」
土手を馬でゆっくりと駆けていると、畑から領民の声がする。
畑の方に降りていき、話を聞けば、ナス……じゃない。ナスティの葉に大きな斑模様が出ていた。
ナス褐斑病という前世の病気に近いけれど、この世界では原因が少し違う。それが植えられている土を握ってみた。
「少しベトベトしているわね。土の中に悪い虫が増えている可能性がある」
「それはもしや」
「ええ。ボージョロヨー虫だと思うわ。触っても平気な虫だけど、ナスティやトマティッレの根と葉を食い荒らすから、駆除しないと」
前世ではそういう虫は、見つけ次第手で潰していた。
絶対に許すまじ……絶許、絶許、と呟きながら駆除していたけれど、さすがに領民の前でそれをするわけにはいかない。
ちなみに、土の中の虫を掘り起こして見つけたときは、問答無用で可燃ゴミの袋にいれていたな。
一匹いると、数十匹は同じエリアから出てくる、恐ろしい虫だった。
それと、この世界では基本的に虫は素手で触らない。どんな毒を持っているかわからないからだ。
前世のそうした記憶と、今の世界の農業知識を持っている私は、知識で知っていることを、どう落とし込んでいくかまでしっかり理解できる。
不安そうな顔をしている数人の領民達に、笑みを返す。