転生したガーデナーは、悪役令嬢の夢を見ない
「大丈夫! ボージョロヨー虫に関しては、マージョナル帝国で研究が進んでいてね。ホグツの実を砕いたものを土に混ぜていくと良いと判明しているわ」
「ホグツの実ですかい。それなら、西の森にたくさん生えてる」
「ああ、今から村の子ども達を総出でとりに行かせようじゃないか!」
「その間に大人は混ぜやすくするために、土をほぐしておくぞ」
ホグツの実が持つアキサンチンとタンニン、それにガッチョロというよくわからない成分が、ボージョロヨー虫を殺虫するらしい。
実自体はどんぐりみたいな形をしていて、指で押せば潰れるくらいの柔らかさだ。
このボージョロヨー虫は、何かの輸入品と共に我が領地に入り込んだ、外来種らしく、その病害がでてきたのも、この数年の話。
外国の本を読めるチート能力があって良かった、と心底感じた瞬間だった。
家の図書室の本は、農業関係以外も全て読み切ったので、雑学王になれる自信が、今ならある。
なる必要はないんだけど。
「試してみて、何か変化があったら、いつでも私に声かけてね」
「お嬢さま、イリス様ありがとうございます」
最初に声をかけてきた領民が、代表してそう言うと、周りの人たちも頭を下げる。
私は笑顔で手を振り、再び馬に乗って移動を始めた。
「フェデル、次はどこかしら」
「北の森近くの村から、相談があると」
私の斜め後ろを駆けるフェデルから、そう返ってくる。
「そう。北の村……北の村……シーネル村?」
「ホグツの実ですかい。それなら、西の森にたくさん生えてる」
「ああ、今から村の子ども達を総出でとりに行かせようじゃないか!」
「その間に大人は混ぜやすくするために、土をほぐしておくぞ」
ホグツの実が持つアキサンチンとタンニン、それにガッチョロというよくわからない成分が、ボージョロヨー虫を殺虫するらしい。
実自体はどんぐりみたいな形をしていて、指で押せば潰れるくらいの柔らかさだ。
このボージョロヨー虫は、何かの輸入品と共に我が領地に入り込んだ、外来種らしく、その病害がでてきたのも、この数年の話。
外国の本を読めるチート能力があって良かった、と心底感じた瞬間だった。
家の図書室の本は、農業関係以外も全て読み切ったので、雑学王になれる自信が、今ならある。
なる必要はないんだけど。
「試してみて、何か変化があったら、いつでも私に声かけてね」
「お嬢さま、イリス様ありがとうございます」
最初に声をかけてきた領民が、代表してそう言うと、周りの人たちも頭を下げる。
私は笑顔で手を振り、再び馬に乗って移動を始めた。
「フェデル、次はどこかしら」
「北の森近くの村から、相談があると」
私の斜め後ろを駆けるフェデルから、そう返ってくる。
「そう。北の村……北の村……シーネル村?」