転生したガーデナーは、悪役令嬢の夢を見ない
第17話 収穫祭
麦の収穫が始まった。
エーグル辺境伯領では、この麦の収穫を以て収穫祭の始まりとする。
収穫を初めにした家の仕事が終わったタイミングで、人々は各村々で祝いをする。
それとは別に、エーグル辺境伯家の領民用の庭も開放され、一週間をかけて食事が提供されるのだ。
領地で作っている作物をこの日のために保管し、調理する。
ここ数年は、私が前世の記憶を持って美味しい料理を提供しているので、誰もがこの日を待ち望んでいた。
初日はお父さまが領主として挨拶をし、領内の貴族達も集まる。
庭は領民に開放される一方、貴族達のために屋敷のホールも開放していた。
「まぁ! そのドレス本当に美しいわ」
「イリス様が考案されたという、クリノリンのお陰よ」
「クリノリンと言えば、コルセットも……」
そんな会話が、ホールのあちらこちらから聞こえてくる。
今日ここに来ているのは、側妃派の貴族だけ。
なのでまぁ、褒め言葉は話半分くらいに聞いておく方が良いだろうけど、それでも嬉しい。
褒められることが、というよりも、皆があの重くて邪魔なフリルを何重にもしたペチコートを着たり、肋骨が折れそうになるくらい締め上げられるコルセットを着けたりしなくて済むようになっていることが、だ。
エーグル辺境伯領では、この麦の収穫を以て収穫祭の始まりとする。
収穫を初めにした家の仕事が終わったタイミングで、人々は各村々で祝いをする。
それとは別に、エーグル辺境伯家の領民用の庭も開放され、一週間をかけて食事が提供されるのだ。
領地で作っている作物をこの日のために保管し、調理する。
ここ数年は、私が前世の記憶を持って美味しい料理を提供しているので、誰もがこの日を待ち望んでいた。
初日はお父さまが領主として挨拶をし、領内の貴族達も集まる。
庭は領民に開放される一方、貴族達のために屋敷のホールも開放していた。
「まぁ! そのドレス本当に美しいわ」
「イリス様が考案されたという、クリノリンのお陰よ」
「クリノリンと言えば、コルセットも……」
そんな会話が、ホールのあちらこちらから聞こえてくる。
今日ここに来ているのは、側妃派の貴族だけ。
なのでまぁ、褒め言葉は話半分くらいに聞いておく方が良いだろうけど、それでも嬉しい。
褒められることが、というよりも、皆があの重くて邪魔なフリルを何重にもしたペチコートを着たり、肋骨が折れそうになるくらい締め上げられるコルセットを着けたりしなくて済むようになっていることが、だ。