転生したガーデナーは、悪役令嬢の夢を見ない

第3話 復活とチート

 目を覚ますと、いつもの私のベッドの天蓋が見えた。
 
「綺麗なレースだよねぇ」
「お嬢さまっ」
 
 侍女のフェデルが、私の声を聞いてすぐに近くに来る。
 
「目が覚めたのですね。すぐに皆さまをお呼びします。何か欲しいものはありますか?」
 
 横たわる私のことを抱きしめて、そう言うフェデルの瞳には、涙が浮かんでいた。
 無事に生き返れて良かった。
 
「お水が欲しいな」
「かしこまりました。お医者さまも呼んでまいりますからね。そのまま横になっていてくださいね」
 
 フェデルは部屋を慌てて出て行く。窓の外は暗いので、今は夜中なのかもしれない。
 
「イリスっ! 目が覚めたのね」
 
 最初に来たのはお母さま。そしてすぐあとにお父さまやお兄さま方もやって来た。
 皆、パジャマみたいなものを着ているから、きっと寝ていたのだろう。
 
「よかった……。本当によかった……」
 
 皆がそう言って、順々に私を抱きしめてくれる。
 
「イリスは、三日間死の淵をさまよっていたんだ」
 
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