転生したガーデナーは、悪役令嬢の夢を見ない
ウェスタ兄さまに言われて、デリーは私の後ろから横に移動する。
そんなウェスタ兄さまはほんの半歩だけ後ろに下がり、私の逆隣を周囲を警戒しているそぶりを見せずに歩く。
「なんか、第二王子殿下に挨拶しろって。向こうが私を見てたから、挨拶しに行くのが当然でしょって言われたわ」
「なんだそれ。挨拶して欲しいなら、自分から挨拶しに来れば良いのに」
「そう思うよね、ウェスタ兄さま」
「キュノはプライドが高いからなぁ。例え学校則に身分を振りかざすなってあったとしても、周りは自分を大切にして当然と思ってるんだろうなぁ」
「えー、私そういう人無理」
「イリスは、僕だけ見てれば良いから」
「デリー、そういう話でもないだろ」
くく、と笑いながらウェスタ兄さまは、教室の第二王子をちらりと見る。
私もその視線を追うと、そこには女生徒に囲まれた第二王子がいた。
「……うわぁ」
ドン引きだわ。
「あんなに大勢の女生徒に囲まれて、何が楽しいのかな」
「ウェスタ、僕も同感だ。僕はイリスさえいてくれれば、他には何もいらないのに」
「お前が言う場合、ちょっと重すぎるんだよなぁ」
「そうか?」
第二王子にドン引いてる間に、両隣の二人もなんだか不穏な会話をしているじゃない。
重いのはちょっと……。普通で良いのよ、普通で。
そんなこんなで、クラスでのオリエンテーションもつつがなく終わり、あとは寮に戻るだけ。
そう思っていたら。
「君がイリス・エーグル?」
デリーが教師に呼ばれて不在の間に、第二王子から声がかかった。
そんなウェスタ兄さまはほんの半歩だけ後ろに下がり、私の逆隣を周囲を警戒しているそぶりを見せずに歩く。
「なんか、第二王子殿下に挨拶しろって。向こうが私を見てたから、挨拶しに行くのが当然でしょって言われたわ」
「なんだそれ。挨拶して欲しいなら、自分から挨拶しに来れば良いのに」
「そう思うよね、ウェスタ兄さま」
「キュノはプライドが高いからなぁ。例え学校則に身分を振りかざすなってあったとしても、周りは自分を大切にして当然と思ってるんだろうなぁ」
「えー、私そういう人無理」
「イリスは、僕だけ見てれば良いから」
「デリー、そういう話でもないだろ」
くく、と笑いながらウェスタ兄さまは、教室の第二王子をちらりと見る。
私もその視線を追うと、そこには女生徒に囲まれた第二王子がいた。
「……うわぁ」
ドン引きだわ。
「あんなに大勢の女生徒に囲まれて、何が楽しいのかな」
「ウェスタ、僕も同感だ。僕はイリスさえいてくれれば、他には何もいらないのに」
「お前が言う場合、ちょっと重すぎるんだよなぁ」
「そうか?」
第二王子にドン引いてる間に、両隣の二人もなんだか不穏な会話をしているじゃない。
重いのはちょっと……。普通で良いのよ、普通で。
そんなこんなで、クラスでのオリエンテーションもつつがなく終わり、あとは寮に戻るだけ。
そう思っていたら。
「君がイリス・エーグル?」
デリーが教師に呼ばれて不在の間に、第二王子から声がかかった。