婚約者様、「君を愛することはない」と貴方が乗り込んできたせいで私と貴方の魂が入れ替わってしまったではないですか!責任を取ってください
5 リディア嬢をギャフンと言わせて見せます!
◆◇◆◇◆
フィンリー様から豪華な婚約祝いがローレンス様宛に届いた。何故か我が家に。「先日はとても楽しかった。またチェスをしよう。今度はお前の素敵な婚約者も連れてきてくれ」というメッセージカード付きで。
「なぜこんなものを……」
私は気まずくなった。あのあと、手加減をせずにチェスができるのも、お酒に強い身体で飲むのも楽しいなって夢中になってたら、フィンリー様は「リディア嬢のお陰でお前の行く先は順風満帆だな!」と言い出したのだ。
「……どうやら、私たちが仲が良いと勘違いされたみたいで……」
「えっ、困ったな。フィンリーは良い奴なんだけどお喋りなんだ。このままじゃ皆に俺たちの事をふれまわるかも……」
「え!?」
ローレンス様は眉を下げたけれど、今日はブスな顔にならなかった。よく見ると控えめだけど上手な化粧をしている。それに表情も今までとは違って柔らかい。私のふりをするためのセーラの特訓のおかげかしら? ……なんだか私本人よりちょっぴり綺麗になったみたいで悔しい。
「このまま噂が広まればカリーナ嬢を不安にさせてしまうかもしれない。俺は彼女にリディア嬢との婚約を解消するつもりだと言ってしまったんだ。それなのに状況は真反対じゃないか」
「……」
また私の胸がチクリと痛む。
それを私の前で堂々と言うなんて本当に馬鹿正直なんだから。しかも私が元に戻るための薬をわざと作らないなんて疑いもしないのでしょうね。勿論、ちゃんと作るけれど。
「そうだ! ちょっとセーラを探してくる!」
「ええ?」
まさかセーラに、プライウッド男爵令嬢との恋仲や、私との婚約解消をまだ諦めてないと相談するの!? 下手をすれば怒り狂った彼女に半殺しにされるわよ!? あ、私の身体を傷つけるわけにはいかないから、半殺しはないか。多分精神的にいたぶるでしょうね……。
……という私の心配は杞憂に終わった。セーラとローレンス様はにこにこして私の部屋に戻ってきたのだから。そして彼らの話を聞いた私は驚いた。
「お茶会に出席する!?」
「ええ。ちょうどこの間お茶会の招待が参りました。お嬢様はいつも通りお断りしたでしょうが、ローレンス様はお出になると」
彼は私の顔で淑女の微笑みを演出した。
「セーラのお陰で、私はどこに出しても恥ずかしくない淑女に見えるでしょう?」
「ええ、素晴らしいですわ。私のお陰ですね」
言葉遣いまで! しかもなんだかこの二人、すっかり息が合っているみたいでぽんぽんと会話が進むわね。いつの間に!? ボッチの私と違って友人が沢山いるローレンス様の人心掌握術(おそらく無意識)は厳しいセーラにも響くほどの実力なのかも。
「皆様の前でしっかりとアピールして、リディア嬢が怖い魔女などという誤解をこの機会にきちんと解いてきますわ」
「えっ」
ローレンス様の言葉にびっくりする。ちょっと待って、さっきのプライウッド男爵令嬢の話からそっちへ飛ぶの???
フィンリー様から豪華な婚約祝いがローレンス様宛に届いた。何故か我が家に。「先日はとても楽しかった。またチェスをしよう。今度はお前の素敵な婚約者も連れてきてくれ」というメッセージカード付きで。
「なぜこんなものを……」
私は気まずくなった。あのあと、手加減をせずにチェスができるのも、お酒に強い身体で飲むのも楽しいなって夢中になってたら、フィンリー様は「リディア嬢のお陰でお前の行く先は順風満帆だな!」と言い出したのだ。
「……どうやら、私たちが仲が良いと勘違いされたみたいで……」
「えっ、困ったな。フィンリーは良い奴なんだけどお喋りなんだ。このままじゃ皆に俺たちの事をふれまわるかも……」
「え!?」
ローレンス様は眉を下げたけれど、今日はブスな顔にならなかった。よく見ると控えめだけど上手な化粧をしている。それに表情も今までとは違って柔らかい。私のふりをするためのセーラの特訓のおかげかしら? ……なんだか私本人よりちょっぴり綺麗になったみたいで悔しい。
「このまま噂が広まればカリーナ嬢を不安にさせてしまうかもしれない。俺は彼女にリディア嬢との婚約を解消するつもりだと言ってしまったんだ。それなのに状況は真反対じゃないか」
「……」
また私の胸がチクリと痛む。
それを私の前で堂々と言うなんて本当に馬鹿正直なんだから。しかも私が元に戻るための薬をわざと作らないなんて疑いもしないのでしょうね。勿論、ちゃんと作るけれど。
「そうだ! ちょっとセーラを探してくる!」
「ええ?」
まさかセーラに、プライウッド男爵令嬢との恋仲や、私との婚約解消をまだ諦めてないと相談するの!? 下手をすれば怒り狂った彼女に半殺しにされるわよ!? あ、私の身体を傷つけるわけにはいかないから、半殺しはないか。多分精神的にいたぶるでしょうね……。
……という私の心配は杞憂に終わった。セーラとローレンス様はにこにこして私の部屋に戻ってきたのだから。そして彼らの話を聞いた私は驚いた。
「お茶会に出席する!?」
「ええ。ちょうどこの間お茶会の招待が参りました。お嬢様はいつも通りお断りしたでしょうが、ローレンス様はお出になると」
彼は私の顔で淑女の微笑みを演出した。
「セーラのお陰で、私はどこに出しても恥ずかしくない淑女に見えるでしょう?」
「ええ、素晴らしいですわ。私のお陰ですね」
言葉遣いまで! しかもなんだかこの二人、すっかり息が合っているみたいでぽんぽんと会話が進むわね。いつの間に!? ボッチの私と違って友人が沢山いるローレンス様の人心掌握術(おそらく無意識)は厳しいセーラにも響くほどの実力なのかも。
「皆様の前でしっかりとアピールして、リディア嬢が怖い魔女などという誤解をこの機会にきちんと解いてきますわ」
「えっ」
ローレンス様の言葉にびっくりする。ちょっと待って、さっきのプライウッド男爵令嬢の話からそっちへ飛ぶの???