好きを教えて、生意気なきみ
なんか楽しいな。



渚は司書室ではだいたい寝てるか本を読んでるからこんな風にたくさん話すのも滅多にない。



あたしは渚に勧められた本を何冊か借りることにした。



「それめっちゃ良いからな。泣くぞ」

「あたし超涙腺弱いよ~…」

「ははっ、そんな感じするな」



それから図書館の閉館の音楽が流れたので、図書館から出ることにした。



涼しかった図書館から一変、外は暑い…。



「夕方でもこの暑さってすごくない?」

「だなー。アイスでも食うか」

「賛成!」



というわけでコンビニに行ってアイスを買うことにした。



2人でそれぞれのアイスを買って、公園に座って食べる。



あ~、平和だ…。



「そっちちょっとくれ」

「いいよ。渚のもちょうだい」



アイスを分け合って食べる。



渚のレモンのアイスは心地よい酸っぱさだった。



そのとき、「霜月?」という男の子の声がした。



見ると…中学生のときに一瞬だけ付き合ってた佐々木くん…。



渚がアイスを口に入れながら「誰?」とあたしに聞く。



「中学のときの元カレ…」

「ふーん」



渚は興味なさそうだ。



でも、佐々木くんは渚を見てフッと鼻で笑った。



なに…?



「霜月、まだそんなことやってんだ」

「…そんなことって?」

「男とっかえひっかえ。この前別れたって聞いたのにもう新しい彼氏かよ。もうほとんど病気だよなー」

「…」



なにも言い返せないあたし。



佐々木くんとは告白されてから2か月くらい付き合って、性格が好きになれなくてあたしから振った。



そのあとすぐ受験が始まって、特に話すこともなかったんだけど…。
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