好きを教えて、生意気なきみ
「男一人じゃ入りづらくってさ~。友達も少ないし…」

「アハハ…。まだ友達いないんですか?」

「前よりは出来たけどまだまだだね」

「壁は高いですね」

「厳しいこと言うね」



それよりもケーキ!



疲れたあたしに必要なのは糖分だ…!



キラキラした顔でケーキをお皿に入れていく。



たくさんお皿に乗せて席に戻った。



「いっぱい入れたね」

「はい!」



尚先輩は相変わらずニコニコしてる。



これ全部奢り…?



尚先輩って神様みたい。



あたしはひたすら目の前のケーキを食べた。



「あはは、ついてるよ」



そう言って尚先輩が紙ナプキンであたしの口元についたクリームを取ってくれる。



やっぱり優しい…。



「相変わらずかわいいね、陽鞠ちゃん」

「え~、よく言われます~」

「あはは、現金だな」



そんなやり取りをしながら時間いっぱいまでケーキを食べた。



うう…さすがに気持ち悪い…。



「大丈夫?」

「たぶん…」

「いっぱい食べたもんねー」



尚先輩は来たかったって言う割にあんまり食べてなかったですよね~…。



あたし一人でモリモリ食べて恥ずかしいな。



「じゃあ気を付けて帰ってね」

「はーい、今日はありがとうございました~…」



尚先輩ってやっぱり良い友達だ。



先輩が友達って不思議な感じだけど。



ちょっと気も紛れたし!



ありがたや~…。



あたしは心の中で尚先輩に拝む。
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