好きを教えて、生意気なきみ
ちょっとしてから来た渚。



「悪い、遅くなった」

「べつに~?」

「怒ってんの? 2週もサボったやつが?」



ぬあ!!



さ、刺された…。



それはそうだ…。



「ごめんなさい…」

「ははっ、冗談だよ」



そう言ってあたしの両頬をむにっとつねった。



む~…。



「渚~」

「なんだよ」

「あなたもしかしてモテますか?」



渚が椅子に座って脚と腕を組んだ。



脚が長いこと…。



「急になんだよ」

「なんかさっき渚のこと探しに来てた女の子がいた…」

「それで怒ってたのか?」



渚があたしの顔をじっと覗き込む。



あたしは口をとがらせながらうなずいた。



渚がにまっとした顔になる。



何その顔!



「嫉妬ですか~?」

「そうだよ! 悪い?」

「かわいい」



な!



渚がにやにやとあたしを見てる。



そ、そんなはっきり言われたら照れるじゃん…。



「お前以外興味ねえよ」

「そ、そう?」

「俺こそ冷や冷やすっけどな。かわいいかわいい陽鞠チャンがいつ目移りするか」

「あたしだって…もう渚以外見るつもりありません…」



なんだか恥ずかしくて声が小さくなってしまう。



あたしってこんな恥ずかしがりだった!?



結構彼氏にははっきり物言うタイプだと思ってたんだけど…。



本気で好きだと変わるんだな…。
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