好きを教えて、生意気なきみ
それから2限終わりにそーっと教室に戻ろうとしたら、廊下で担任に遭遇して、サボったのがバレた。



「お前な~…、2年になって早々にサボるなよ」

「だって人生絶望なんだもん…」

「ハッ、絶望するにはまだ若いね」



寄り添い力のない担任だな!!



もー、どいつもこいつも~!



プンスカ怒りながら教室に戻った。



茜が「バレた?」とにやにやしてる。



「バレたしなんか色々最悪だった~」



そう言って、さっきの屋上での出来事を茜に話す。



茜は姉御肌の猫目美人だ。



ショートカットがよく似合ってる。



一通り聞き終わった茜は片手をあげた。



「陽鞠のことなので、そいつのこと好きになるに1票」

「いくらなんでもなんないよ!」

「そう~? 陽鞠はすーぐ人好きになるから信用できない」



そんな節操なくないもん…。



いや…あるかも…。



「でも年下は好きになったことない!」

「そう言われてみればそうだね」



茜は小学校のときからの友達なのであたしの恋愛遍歴はだいたい知ってる。



あたしの恋愛遍歴を知っても引かずに友達でいてくれるありがたい存在だ。



もしかしたら引いてて一緒にいてくれてるだけかもだけど…。



「じゃあ、もしそいつのこと好きになったらあたしに何か奢ってね」

「いいよ、ならないから」



まず名前も知らないもん。



あたしは茜に指切りをして、誓約書まで書かされて好きにならないと宣言した。



もう口聞くことも別にないもんね~。



会っても無視すればいいんだもん。



なのに…。



「え!? なんでいるの!?」

「お~、この前の失恋女」



まさか委員会が同じになるなんて思ってなかったよ~…!



二度目の対面、どうなるあたし!?



でも…失礼すぎて話にならなくない?



茜、あたし多分大丈夫そう!
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