好きを教えて、生意気なきみ
そしてクリスマスイブ当日がやってきた。



駅まで渚を迎えに行って、手をつなぎながら集合場所へ。



車で雪国に行くんだ。



集合場所には弥玖も着いていた。



そして、その隣には前に会った弥玖の彼女…。



「お久しぶりです」



そう言って渚がうちの親に挨拶する。



ニコニコしているお母さんと、ちょっと気まずそうなパパ…。



渚が弥玖の方を見た。



それから、あたしの手をぎゅっと握って、弥玖とその彼女に挨拶した。



「はじめまして、陽鞠の彼氏の渚です」

「はじめまして~。陽鞠ってこんなかっこいい彼氏がいるんだね~」



弥玖はそう言ってニコニコ笑う。



あたし、もう弥玖に対して執着しなくなったよ。



隣でこうやって手を握ってくれる大事な人がいるもん。



渚のことが大好き…。



それから車に乗ってしばらく、目的地に到着!



「雪~!」



キラキラ光る白銀の世界!



すごい! 雪山だ!



毎年この季節に来てるけど、やっぱり毎年新鮮で喜んじゃうな。



はしゃいでるあたしは、雪に向かって駆け出して、こけそうになる。



それを渚が手を引いて止めてくれた。



セーフ…。



それから大人たちは泊まるロッジへ、あたしたちはみんなでスキーに行く。



「渚、助けて!!!! ギャーーー!!」

「うわっ、ちょ、あぶねえだろ!!」



あたし、スキーって苦手…。



毎年やってるけど全然うまくならない…。



うまく方向調整ができなくて、渚にぶつかるあたし…。



渚に怒られた。



弥玖の彼女のちとせちゃんもスキーが苦手みたいで、2人でゆっくりと滑る。



渚と弥玖と風里は普通に上手くてすいすい滑っていく…。



「なんであんな風に滑れないんだろうね…」

「ね~…」



ちとせちゃんと仲間意識が芽生え、なんだか仲良くなった。



一方の渚はなんだか弥玖を敵対視してるみたい…。



「渚くん上手いね~」

「別に普通っすけどね」



なんか対応が冷たいの。



仲良くしてよね!

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