婚約破棄された脇役令嬢は、隣国の皇太子の胃袋を掴んで溺愛される
その後、次の扉を開けると砂漠のような砂嵐が舞う場所になり、土属性の魔獣と対面した。
以前戦った際と同じようなやり方で、こちらの魔獣も倒していく。今回は火魔法使いとして優れているクリス様が大活躍だった。
以前私が泥に火魔法を当てた時よりも、異常な速さで焼き尽くしてしまったのだ。
(クリス様、火魔法に関しては本当に一流だわ。さすが王族、一つの魔法に秀でた人が多いものね)
ここでの魔獣退治が終わると、次の場所では湿気を含んだ洞窟のような場所だった。
そこでは水属性の魔獣が現れ、前回と同じようにアンディとレオナルド様が雷魔法で魔獣を倒していく。
ここでも無事に退治することは出来たが、立て続けに魔獣と戦った私たちはこの時点でかなり疲弊していた。
それに、進めば進むほど、最深部に近づいているせいか瘴気が濃くなっている。それが余計に私たちを苦しめていた。
「皆さん、一度休憩しませんか?」
ずっと後方で見守っていたマリア様が、皆に声をかけた。
マリア様が手に持っているバスケットには、私が作ったサンドイッチやおにぎり、唐揚げなどが沢山入っていた。魔道具を使ってお茶を淹れ、皆に振る舞っていく。
「エリアナ様がご飯を作ってくださったんです! 皆さん、一人一個ずつですよ? あ、ニール様! 食い意地張らないでください!」
「いいひゃないか、わたひがいひはんはんはってる」
「えーと、ニール様今なんとおっしゃいました?」
「良いじゃないか、私が一番頑張ってる、って言ってますね。ハハ、ニール殿は食いしん坊だな」