婚約破棄された脇役令嬢は、隣国の皇太子の胃袋を掴んで溺愛される

「キアラ王国でも、国民から聖女が生まれる可能性もあり得なくはないのですよね?」

「その可能性は充分あると思う」

「今回、誰も光魔法が扱えない状態で突撃するのは、やはり無理があったのでしょうか……」


 魔獣の王と対面する時間が近づいていることを感じて、どうしても不安な気持ちが襲ってくる。今更どうしようもないのだけれど……。


「今誰かが行かなければ、想像以上の被害がキアラ王国に出てしまうと思う。だから、今回の判断は正解だったと思うよ。とにかく、全員無事で帰れるように頑張ろう」

「はい……そうですね」

「さぁ、そろそろ時間だ」


 皆が食事でエネルギー補給をした所で、それぞれ立ち上がった。奥の扉を開けば、恐らく魔獣の王が住む最深部だ。

 私たちはゆっくりその扉を開いたーー。



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