婚約破棄された脇役令嬢は、隣国の皇太子の胃袋を掴んで溺愛される
第18話:魔獣の王・サタンとの戦い
重い扉をぐっと押すと、そこには薄暗い洞窟のような空間が広がっていた。先ほどいた場所よりはとても広い。
中央に大きな木が植えられており、葉は一枚も付いていない。干からびているように見えるが、木の幹がかなり太く、何十年、何百年とそこにあるのだろうと思った。
太い枝部分に腰掛けるように座っているのは、真っ黒な翼が生えた男性だった。見た目は20代後半くらいに見えるが、あれが魔獣の王なのだろう。
「ようこそ、魔窟の最深部へ! いやぁ〜人間が来たのなんて初めてだなぁ、すごく嬉しいよ!」
「お前が魔獣の王か?」
クリス様の問いに、魔獣の王はニコニコしながら答えた。
「あぁ、そうだよ。僕はサタン。君はこの国の王太子だね。なるほどな〜」
そう言いながらクリス様のことを、上から下まで舐め回すように見ている。
「君は、なぜこの国が今瘴気や魔獣の影響が拡大しているか分かる?」
「それは……前聖女が亡くなって暫く経ち、聖女が不在で浄化できないからだろう」
「うーん、それは半分正解で、半分不正解かな。ま、君のような王族や貴族では、分からないよなぁ。だからこうなっている訳だし」
「どう言う意味だ?」
魔獣の王・サタンの発言は雲を掴むようで核心が掴めず、クリス様は少し苛立っていた。
中央に大きな木が植えられており、葉は一枚も付いていない。干からびているように見えるが、木の幹がかなり太く、何十年、何百年とそこにあるのだろうと思った。
太い枝部分に腰掛けるように座っているのは、真っ黒な翼が生えた男性だった。見た目は20代後半くらいに見えるが、あれが魔獣の王なのだろう。
「ようこそ、魔窟の最深部へ! いやぁ〜人間が来たのなんて初めてだなぁ、すごく嬉しいよ!」
「お前が魔獣の王か?」
クリス様の問いに、魔獣の王はニコニコしながら答えた。
「あぁ、そうだよ。僕はサタン。君はこの国の王太子だね。なるほどな〜」
そう言いながらクリス様のことを、上から下まで舐め回すように見ている。
「君は、なぜこの国が今瘴気や魔獣の影響が拡大しているか分かる?」
「それは……前聖女が亡くなって暫く経ち、聖女が不在で浄化できないからだろう」
「うーん、それは半分正解で、半分不正解かな。ま、君のような王族や貴族では、分からないよなぁ。だからこうなっている訳だし」
「どう言う意味だ?」
魔獣の王・サタンの発言は雲を掴むようで核心が掴めず、クリス様は少し苛立っていた。