婚約破棄された脇役令嬢は、隣国の皇太子の胃袋を掴んで溺愛される
突然の質問に目を丸くしているマリア様。すると、驚きから穏やかな微笑みに切り替わった。
「今後ですが、元の世界には戻らず、この世界で生きて行こうと思います。時間軸のズレがどれくらいあるのか、分からないというのも怖いですし……
何より、この世界にはエリアナ様もいますからね! 後、推しのアンジェロ様も!」
「まぁ、そう決められたのですね!」
「はい。お二人だけでなく、皆さん良い人ばかりですし。もちろん、今のところ無属性なので、生きづらい場面も多いかと思いますが……。それと、アンジェロ様の件ですが」
「はい……!」
「クリス様にも、アンジェロ様が好きなことは伝えました。なので、ここはアンジェロ様にもきちんと想いを伝えたいなと思っていて……今度デートして頂けませんかと思いきって誘ってみたんです!」
「まぁ! それで!?」
「はい、喜んでと言ってもらえたんです……!! もう、推しとデートだなんて、私卒倒しそうでした……」
「マリア様、すごい! 大きな一歩ですわ!!」
つい拍手をしてしまう。前世で言うところの『女子会』のようなノリになっていた。
「エリアナ様は今後どうされるのですか? カイ様と結婚をして、皇太子妃に?」
「はい、そのつもりです。マリン帝国には行ってしまいますが、定期的にキアラ王国には聖女として浄化に訪れる予定です」
「そうなのですね! 今のように気軽には会えなくなってしまいますが……また、会えますよね?」
「えぇ、もちろんです。ぜひまた近況報告をしましょう!」
「あ、そうだ。出来ればエリアナ様にお願いがあるのですが……」
「??」