婚約破棄された脇役令嬢は、隣国の皇太子の胃袋を掴んで溺愛される
 その他にはジャガイモ、ニンジン、タマネギといった野菜も入れていますし、鶏肉、コムギコなども入っています。決して甘ったるいスープではありませんよ」

「そうか、早速頂こう」

「あ、今日はこの家での初めての食事なので、ワインも用意しました!皆さん、乾杯しましょう!」


 早速、皆でグラスを寄せ合って乾杯した。見たことの無いスープに躊躇うかと思ったものの、カイ様が最初に口につけた。そして……


「うん! 美味い! 初めて食べる味だな。エリアナ、この料理はどこで学んだんだ?」

「あ、えっと……創作料理です?」

(前世の知識、ありがとう……!)

「とっても美味しいです、エリアナ様! 公爵家でもこの料理は出たことがないのではないでしょうか?
 それに、パンと言えばもっと平べったいと言いますか、これ程ふっくらしておりませんし」

「美味しいですね。マリン帝国のパンも平たいものが多いです」


 「あ、そうだ」とふと思いついたようにアンディ様は続ける。


「エリアナ様、私のことは『アンディ』とお呼びください。私はカイ様の護衛騎士ですので、エリアナ様に『様』付けで呼ばれるのは心苦しいと言いますか……」

「あら、護衛騎士ということは、カイ様はマリン帝国で偉い立場でいらっしゃるのですか?」

「まぁ、エリアナと同じような貴族だよ。アンディの言う通り接してもらえると嬉しい」

「そうですか? かしこまりました」

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