婚約破棄された脇役令嬢は、隣国の皇太子の胃袋を掴んで溺愛される
「エリアナ、どうした? そんなにショックだったのか?」
「いえ、あ……はい」
どうやらかなり顔色が悪くなっていたようで、クリス王太子からも心配されてしまう。
婚約破棄のショックというよりも、ここが前世でプレイしていた乙女ゲーム『聖女マリアと魔法の国』の世界の中であり、私がその乙女ゲームの冒頭のみに出てくる脇役令嬢であるという事実に激しいショックを受けていた。
再度、クリス王太子の方に目を向けると、私の目の色であるブルーを差し色に使っていないその服装と、彼の腕をがっしり掴んで立っている聖女・マリアの姿が目に映った。
彼女の名前は「マリア・ササキ」と言っていたし、異世界に召喚させられた日本人なのだろう。黒髪、黒目で、年齢は16才くらいだろうか? 少し幼く見える。
こちらの都合で突然連れてこられて、周りには誰も知る人がいない環境で。彼女が頼れるのはクリス王太子だけなのだ。
それはとても心細いと思う。この国の都合に振り回されて、『私達を助けてくれ』と懇願される彼女がだんだん可哀想に思えてきた。
そんなことをあれこれ考えているうちに、私も冷静に状況を捉えられるようになっていた。
そして、一つの事実に気付いてしまったのだ。
(これって考えようによっては、この後の人生は物語に関係なく自由を謳歌して良いということ……!?)
「いえ、あ……はい」
どうやらかなり顔色が悪くなっていたようで、クリス王太子からも心配されてしまう。
婚約破棄のショックというよりも、ここが前世でプレイしていた乙女ゲーム『聖女マリアと魔法の国』の世界の中であり、私がその乙女ゲームの冒頭のみに出てくる脇役令嬢であるという事実に激しいショックを受けていた。
再度、クリス王太子の方に目を向けると、私の目の色であるブルーを差し色に使っていないその服装と、彼の腕をがっしり掴んで立っている聖女・マリアの姿が目に映った。
彼女の名前は「マリア・ササキ」と言っていたし、異世界に召喚させられた日本人なのだろう。黒髪、黒目で、年齢は16才くらいだろうか? 少し幼く見える。
こちらの都合で突然連れてこられて、周りには誰も知る人がいない環境で。彼女が頼れるのはクリス王太子だけなのだ。
それはとても心細いと思う。この国の都合に振り回されて、『私達を助けてくれ』と懇願される彼女がだんだん可哀想に思えてきた。
そんなことをあれこれ考えているうちに、私も冷静に状況を捉えられるようになっていた。
そして、一つの事実に気付いてしまったのだ。
(これって考えようによっては、この後の人生は物語に関係なく自由を謳歌して良いということ……!?)