婚約破棄された脇役令嬢は、隣国の皇太子の胃袋を掴んで溺愛される
(私の取りそうな行動、カイ様にはお見通しなの!?)
「……図星です。反対されていたら、一人で行っていたかもしれません」
「だろう? だったら、私も一緒の方がまだ安心だ。私は水魔法に加えて風魔法も使えるし、アンディは雷魔法、ケイティは土魔法が使えるんだ。
4人いれば基本属性は抑えられるし、一人より仲間は多い方が良い。まぁ、治癒魔法使いがいないのはネックだが……エリアナの作るご飯を食べれば元気が湧いてくるしな」
「フフッ カイ様、食いしん坊なのでしょうか」
「あぁ、これからも美味しいものが食べたい、というのは嘘ではないな」
「アンディとケイティも、大丈夫? 無理はしないでほしいわ」
「お嬢様!! 何をおっしゃるんですか。公爵家を一緒に飛び出した時点で、どこまでもついていきますよ! むしろ一人で行ってしまったら、私は怒っていたと思います」
「私も、カイ様が行く所にはどこまでお供します」
「みんな……」
こんなことに巻き込むのはどうなんだろう……と思っていたけれど、そんな気遣いは不要だと皆が教えてくれた。
のんびりとセカンドライフを過ごすのは難しそうだけれど、この国の魔獣や瘴気を解消してから、また時間を作れば良い。楽しみは後に取っておこう。
「みんな、頑張りましょう!!
……ついでに、現地の食材で美味しいものを作るわ!!」
『ついで』の宣言に、3人がズルッとずっこける。やっぱり、食への想いを捨てられないのだから仕方がない。