婚約破棄された脇役令嬢は、隣国の皇太子の胃袋を掴んで溺愛される
「あ、エリアナ様。美味しいものと言えば、グラニットの住人に魔獣について聞き取りをしていた際、皆さん口々に言っていましたよ。
『エリアナさんの作るパンがまた食べたい、この間騒ぎを起こした男は絶対に嘘をついてる』と」
「まぁ! それは嬉しいわね! でも、各地を巡っている間はグラニットでパンを売ることは出来ないし、どうしたら良いかしら」
「そうですね、もし出発までに数日猶予があれば、パンを販売するか……」
「あ! だったら、パン教室を開こうかしら! 前に『今度作り方を教えて』って言ってくれた子供がいたし、大人数は無理だと思うけれど……」
「エリアナ、良い考えだね。作り方を教えておけば、この後も自分達で再現できるだろう。ケイティ、エリアナが無理し過ぎないよう監視を頼む」
「もちろんです! 最近のお嬢様は止まることを知りませんので、私がついておりませんと!」
「フフ、みんなありがとう!」
その後、住人数名に声をかけて、自宅でパン作り教室を開催した。パンを焼く時は火魔法使いの力を借りたり、自宅にある魔道具で皆どうにかなりそうだ。
こうして、グラニットで出来ることをやり切った私達は、各地を巡る旅を始めるのだったーー。
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