婚約破棄された脇役令嬢は、隣国の皇太子の胃袋を掴んで溺愛される
「オフィーリアさん……ありがとうございます!! 私、希望を捨てずにもう少し頑張ります!
それに、ここは私が元いた世界でプレイしていた乙女ゲームの舞台なので、本当はとても楽しいんですよね。聖女ではなく、遠目にキャラを見るくらいの存在だったら良かったのですが……」
(まぁ! マリア様もゲーム『聖女マリアと魔法の国』をプレイされていたとは……! 本当は色々と語りたいところだけど、ここはグッと我慢ね)
「マリア様が心穏やかに過ごせる日が来ることを、願っております」
「ありがとう、オフィーリアさん。あの、良かったら友達になってくれないですか?」
「友達、ですか? 私は日雇いの侍女ですが……」
「はい、また会えた時にはこうやってお話しできたら嬉しいです!」
ニコリと微笑むマリア様。その笑顔を見ると、まだあどけない高校2年生だということを再認識する。
「えぇ、またお会いできる日を楽しみにしておりますわ」
こうして、一日限定の王家侍女としての潜入捜査は幕を閉じた。
次の日、私とケイティは、カイ様、アンディと合流して作戦会議を行うーー。
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