婚約破棄された脇役令嬢は、隣国の皇太子の胃袋を掴んで溺愛される
第2話:ここから始まる第二の人生!
公爵家に戻ってからは、いつでも出ていけるよう急いで支度を整えた。
その後、情報を聞きつけたお父様はカンカンに怒っていた。それも私に対してではなく、クリス王太子に対して。
前日、お父様は「王太子から『婚約破棄』などされたら公爵家の恥だからな」なんて言っていたものの、本当は娘が可愛くて仕方がないのだ。
「全く、殿下は……こんなに可愛いうちの娘を傷ものにしてくれて。絶対許さん!」
「お父様、公爵家のお役に立てず申し訳ございません。着の身着の儘、出ていけと言われないだけ有難いですわ」
「そんなこと、私が言うはずないだろう! 悪いのはあのポンコツ王太子だ。ったく、何も聖女と結婚しなくてもいいだろうに。
そうでもしないと威厳が保てないくらいには、今の王家に対する支持率が下がっているのだろうな」
「フフ、ポンコツ王太子だなんていけませんよ。でも、王家に対する支持率はお父様の仰る通りだと思います」
王家の事情も鑑みると、これが最善なのだろう。私のような貴族の娘一人の体裁など、とても小さなことなのだ。
それでも、まだお父様は怒りが治らない様子だった。昔からとにかく溺愛されていたので、なんとなくこの展開は予想出来ていたのだが……。
しかしこのままでは公爵家の体裁が悪い。事態が落ち着くまで、私は王都の外れの小さな街に住む場所をあてがわれた。
私一人ではなく、侍女のケイティも連れていって良いと言われホッとする。「何かあった時のために」と公爵家で保有している魔石や魔道具も、一部持たせてくれた。
その後、情報を聞きつけたお父様はカンカンに怒っていた。それも私に対してではなく、クリス王太子に対して。
前日、お父様は「王太子から『婚約破棄』などされたら公爵家の恥だからな」なんて言っていたものの、本当は娘が可愛くて仕方がないのだ。
「全く、殿下は……こんなに可愛いうちの娘を傷ものにしてくれて。絶対許さん!」
「お父様、公爵家のお役に立てず申し訳ございません。着の身着の儘、出ていけと言われないだけ有難いですわ」
「そんなこと、私が言うはずないだろう! 悪いのはあのポンコツ王太子だ。ったく、何も聖女と結婚しなくてもいいだろうに。
そうでもしないと威厳が保てないくらいには、今の王家に対する支持率が下がっているのだろうな」
「フフ、ポンコツ王太子だなんていけませんよ。でも、王家に対する支持率はお父様の仰る通りだと思います」
王家の事情も鑑みると、これが最善なのだろう。私のような貴族の娘一人の体裁など、とても小さなことなのだ。
それでも、まだお父様は怒りが治らない様子だった。昔からとにかく溺愛されていたので、なんとなくこの展開は予想出来ていたのだが……。
しかしこのままでは公爵家の体裁が悪い。事態が落ち着くまで、私は王都の外れの小さな街に住む場所をあてがわれた。
私一人ではなく、侍女のケイティも連れていって良いと言われホッとする。「何かあった時のために」と公爵家で保有している魔石や魔道具も、一部持たせてくれた。