ハロウィンの悪魔

本編




幸運だったのは他と違うのは目の色だけだっだという事。

だからカラーコンタクトという存在を知ってからはずっとそれを愛用している。

視力はそれほど悪くはないが左目が乱視でおまけにドライアイなものだから、通院代やらコンタクト代やら普通であればかからないお金がかかってしまい、一般企業の事務職である栞には痛い出費だが、こればかりは致し方ない。


自分のような大した能力を持たない人間が日常に溶け込むにはこうするしかないのだから。


そんな栞が唯一、世間のしがらみから解放される日がある。

それが今日の10月31日、いわゆるハロウィンだ。
そして栞の誕生日でもある。


この日だけは素顔で外に出てもコスプレをした人間で溢れかえっているのでオッドアイでも仮装しているのかな?と思われるくらいで見向きもされない。





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