【短編】甘くて濃厚なkiss
「朝から元気ないね」
美沙があたしの顔を覗きこみながら言った。
「そういうあんたは元気いっぱいね」
「まぁね!もうすぐクリスマスだし!!」
そうか。
もう12月に入ったんだ。
ってことは、クリスマス……
「雅也君と過ごすの?」
雅也君とは、美沙の彼氏。
「当たり前じゃん、恋人なんだから。そういうあんたはつくんないの?彼氏」
そう簡単に言うが、言ってすぐ彼氏が出来るもんじゃない。
「そりゃ、ほしいはよ。クリスマスに一人は寂しいし?」
中学まではそれでよかったが、
さすがに高校3年となると、彼氏がほしくなる。
美沙と雄平君を見ていたら尚更ほしくなる。