【短編】甘くて濃厚なkiss
「帰ろっか」
あたしが美沙にそう言うと、
「ごめん!今日雅也とデートなんだ。だから、先帰るね!」
手を合わせながらあたしに言った。
「はいはい。ったく相変わらずラブラブだね」
「ごめんね!」
美沙が出ていったあと、一人虚しくなったあたしは、
誰もいない教室でぼーっとしていた。
放課後デートか、うらやましい……
「おい、なにしてんの?」
急に声がして、声がした方に視線を向けると、そこには、
久山輝樹が扉にもたれかかっていた。
なんでいんの!?
「別に、なにもしてないけど。あんたこそ、帰ったんじゃないの??」
「忘れものしただけ」
「あ、そう。てか隣のクラスでしょ??」