爽やかヤンキーは恋をする

"あの"遊蘭

入学式の日が終わり帰路に着く。冬ちゃんは用事があるらしく今日は一緒に帰れない。まだ肌寒い4月、桜が舞い散る小道を一人歩く。

桜なんて久しぶりに見たな...。俺の家はワケアリで普通の家とはちょっと違う、特殊な家なんだ。皆んなそれを恐れて話してくれない。

もしかしたらこの高校に入学できて安心していたのかもしれない。そんな感じだったから、冬ちゃんとあっくんが救いだったの!!でも....あっくんは中学のとき...おっと!

そんな話をしていたら駅に着いた。底辺高校なだけあって、周りの目が怖い....まぁこんなんで怯んでたらこの先もたない。

だから気にしないようにした。そう思った瞬間周りがざわついた。..何があったんだろ、、

「きゃ〜♥夜萎様よ〜っ!」

や、夜萎?誰だろ....次は野太い声が聞こえた。

「「「総長!!お疲れ様ですっ!!!!!!」」」

?総長?ますます疑問が浮かび上がる。そこで聞いたとあること

「ねえねえ...夜萎って誰?」
「し、知らないの?! あの夜萎をっっ!」

うう...ここにも知らない人が一人...。

「夜様は国内最恐と言われる『遊蘭』の歴代最恐頭取だよ!!噂によると癖強めのファンクラブがあって..夜萎様に少しでも手を出すと酷い目にあうとか...!」

わお..ゴリゴリのヤンキーだった...

気になってその人を見てみると…その人の制服は俺とおんなじだった...え?!ちょっと待つて!あの人ってうちの学校だったの?!まぁ確かにヤンキー校だから珍しくないか...

そんな注目されている彼とは反対に俺がいるところは瞬く間に人気がなくなった。俺の前が急に暗くなった。

「え⁇」

咄嗟に後ろを向くとそこには数年ぶりに見るあっくんの姿が…!

「あ、あっくん⁈」
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