最強少女は男装幹部

 彼らの頭の中には、私への恐怖とお袋への恐怖が詰まっているのだろう。

 こいつらの大学を聞き出して、チクってみても楽しそうだが。

 私に縋り付く人間も見てみたい。

 しかし、チクるのは面倒だ。やめておこう。

 
 そこまで考え、ある方法を閃く。

 「そうだ。チクんないからさ。俺の言うこと、一つだけ聞いてもらっても良い?」

 顔の前で両手を合わせて見える。

 おねが〜い。という風に見つめると、学生たちは首を縦に振ってくれた。

 了承の合図だろう。話が速くて助かる。

 「じゃあさ、今晩だけ、、、俺のサンドバックになってくれない?」


 私がそういった瞬間に、男たちの顔は青ざめる。

 恐怖と選択に攻められているのだろう。

 大学を取るか。腕一本の無事を取るか。


 「もう拒否権はないよ?」

 ブルブルと首を横に振る男たち。

 優柔不断だなぁ。

 まあいいや。スッキリするまで殴り潰そう。

 
 その夜、藍色の空に、痛々しい叫び声が響き続けたのは、言うまでもない。
 
 
 

 
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