最強少女は男装幹部
リンside
「だから、リンは怖がらなくてもいい」
本当に、何度も言うが彼は神様のような人だ。
僕を肯定してくれた。
こんな人とは、人生で一度会えるかもわからない。
いや、似ている人間などいない。唯一無二の存在。
今まで出会ってきた人は、腫れ物を触るように何処かへ飛んで行った。
前任の総長は、僕を大切にしてくれたが、卒業とともに出て行ってしまった。
総長がいなくなり、一人ぼっちになった僕。
下っ端の人たちから後ろ指を指され、泣くのを我慢した事もあった。
幹部の皆んなも、常に眠っている僕にどう接したら良いか、戸惑っていた。
薄々迫害感が伝わって来るのが嫌で、さらに眠りに逃げた。
でも、百鬼夜行にいなければ虐められるという思いで、屋上だけは通っていた。
倉庫は下っ端がいるので寄り付かなかったが、用事があるときは出向かなければならない。