最強少女は男装幹部
とある亀裂と二つの仮面

とある優等生と劣等生

 あれから、私とリンは常に二人で行動するようになった。

 前は依存気質のような感じで怖かったリンだが、今はフラットな様子に戻ったようだ。

リンが無事にポワポワとした、邪気のない少年に戻った。

それが凄く懐かしいことのように思えてしまう。

 
 それから、リンに進捗があった。

 意見を言えるようになったのだ。

 今までは見て黙っているタイプだったが、時々私に反発して来ることが増えた。

と言っても、決して悪質なものではない。

 例えば、お酒は控えるように、1日一本という感じだ。

束縛は強くないが、ある程度に抑えるよう注意をしてくれる。


 リンは私が無作為に敵地に突っ込んで行くのも不服なようで、私を四六時中見張っている。

そのせいで公園で暴れようと思っても、リンに監視されている為、動くことができない。


 因みにリンは居眠りの時間も減り、遅刻もしなくなった。

雰囲気は以前と差して変わらないが、どこか前向きになった。

臆病なところまでは流石に変わっていないが、思考が以前とは少々異なっている。

 
 他の生徒と時々話しているし、積極的になったのだ。

まだ強面の人には話しかけられないようだが、古橋と話せるレベルにはなっていた。

 少しずつ前進している、と言うことなのだろうか。
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