最強少女は男装幹部
 周りの目を気にすることもなく、シズルの様子をじっくりと観察する。

 確かに、リンの言うように挙動が少しおかしい。

いつもは優しいお兄さん的立場のシズル。

 私が時々屋上に来た時も、よく飴玉をくれた。

ほぼ毎日通うようになった今でも、毎日のように飴玉をくれる。

大抵コーラ味で、彼の髪と似たような色をしている。

 
 リンを可愛がっているようで、カズキのせいで泣かされそうになるリンをあやしたりもしている。

紳士的、と言う言葉が合う好青年だ。いや、少年か。

 身長はジンの次に高く、ヒョロッとしている。

クラスメイトの会話に耳を傾けてみると、大体がこういう評価だ。

 『秋葉の次に幹部らしくない』


 なぜか同時にリンもディスられてしまっているが、それが現実だ。

 百鬼夜行に入っていない者は私のように、『副総長のシズルをとっちめて、幹部にしてもらおう』という考えを持っているようだ。

しかし、百鬼夜行に入っている者は、皆口を揃えてこう言う。

 『彼ほど副総長に向いている人間は居ない』、と。
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