最強少女は男装幹部
 これは大きな収穫だ。今回の件に関しても、計画に関しても。

この情報のおかげで、地雷を踏まずに済んだ。

 これを知らなかったら、ヤクザが私の家に迫り込んできていただろう。

 
 二つ目の噂。

 シズルの本性はとんだ悪人ということ。

これも下っ端が見かけたそうで、私たちに似たような状況だったらしい。

普段は喧嘩をしないシズルが、他校のヤンキーを痛みつけ、ありとあらゆる暴言を吐いていたという事。
 
 これは私たちも目の当たりにしたばかりなので、本当のことだろう。


 他にも様々なものがあったが、それは嘘っぽいので省略する。

 「どれも、シズルくんとは思えないね、、、」

 隣で歩いているリンが、ボソッと呟く。

顔はうつむき気味で、暗い様子だ。

 
 まあ、気持ちはわかる。

とても同一人物とは思えない内容ばかりだ。

変な噂が一人歩きしている、という可能性もあるが、真実らしきものもある。

 果たして、シズルは本当の善人だったのか、、、


 もしかしたら、私と同類の、仮面を被った愚者なのかもしれない。
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