最強少女は男装幹部
 
 お昼過ぎ、人が寄り付かない屋上付近の階段裏。

一人で立ち尽くし、来るはずの人を待つ。

指定時間が十分も過ぎていることにイラついてくる。思わず貧乏ゆすりが炸裂してしまう。


 いつもは愚痴を吐くのに使っている、俺専用のスポット。

しかし、今日ここに来た目的は愚痴を吐くためではない。

今朝、下駄箱の中に紙切れが入っていたのだ。

 
 空も秋色になってきた頃、いつも通りの時間に登校して来た。

そして下駄箱からうちばきを取り出すと、一枚の紙切れがひらひらと落ちてきた。

封筒にも入っていない、ただの白い紙。
 
 恋文かと期待してみたが、不良校の女子は堂々と恥じらいもなく告白してくる。

顔が良いからこそ学んだ事だ。決して自慢ではない。
 
 予想通り、それは愛を綴ったものではなかった。
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