最強少女は男装幹部
『今日の5時30分、奥上ふ近の階段うらに来てください。ボコボコにしてやる』と簡潔に書かれた一枚だったのだ。

前文は丸っこい小さい文字で書いてあり、後者の文は力強い大文字だ。

 多分違う人が書いたのだろうが、前文の人はすこぶる頭が悪いようだ。

漢字を間違えている。正しくは『今日の5時30分、屋上付近の階段裏に来てください。ボコボコにしてやる』だ。

 どんな馬鹿が来るのかと楽しみにしていたが、とんでもない馬鹿なようで指定時刻をとうに過ぎている。

もう帰ろうか、と思っていた矢先、向こう側から声が聞こえて来た。


 「こんにちは、副総長様。ちょっとお時間よろしいでしょうか?」

職務質問のような含みのある口調で、その男はやってきた。

 「どうしたの?アカネくんにリン」

 そう、俺をここに呼び出したのは、黒色の不良少年と灰色の貧弱少年だったのだ。

 「いやぁ、シズルの噂を聞いちゃったんだよねぇ、、、なぁ?」

 「えっ、あ、うんそう!そうだよ!」

 バレバレな返答を残すリンに呆れながら、表面上のにこやかな笑顔を貼り付ける。
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