最強少女は男装幹部
 違和感のない、穏やかな笑顔。

口角を少し上げて、楽しそうに目を細める。

胡散臭い道化師には見えないように、小さい幸せを噛みしめるように。

 計算され尽くした仮面を、顔に貼り付ける。


 「噂って、何か聞いたの?」

 「そうそう。例えば、副総長は本心では、百鬼夜行のことが嫌いだとか、、、?」


 反射的に肩が上がってしまう。

嫌いではない。うんざりする事があるだけだ。

それは大きな誤解で、真実ではない。

 そう、断言できる、、、はずだ。


 「あとあと、すっごい暴言吐いてるんだってぇ?仲間の愚痴とか、、、それは本当かな?」

 「、、、なんだ、そんなこと。そんなの嘘に決まってるよ。誰かが作ったものだ」

 「さあねぇ、、、?それは俺も知らないよ。嘘とか本当とか、本人しかわからないんだから」


 ヤバイ。そう思った。

このままいけば、俺の仮面が剥がれてしまう。

真実を自白なんて、そんな格好悪い終わり方はごめんだ。
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