最強少女は男装幹部
 大丈夫。まだ噂と流せる。

証拠もないし、見られてもいない。

大丈夫だ。俺はまだ、百鬼夜行に居る事ができる。

俺の居場所は、なくならない。


 「まさか、俺がその噂を公認するとでも思っているの?」
 
 「うん。そうだけど」

 
 、、、は?

危うく、声が漏れてしまいそうになる。

 俺が認めると思っている?嘘だろう。

お前らは、それがまだ本当だという証拠を持っていない。

なのにも関わらず、なんでそんな事が断言できるんだ、、、?


 「俺は百鬼夜行を嫌いだなんて思っていないよ。愚痴も吐かない。皆んなを好きだと思ってるし、、、」

 「その達者な口は閉まらないのか?」


 ピシャリと、俺の言葉が斬られる。

今までの『人を陥れる無邪気な口調』とは違い、一気に温度が冷えた。

無機質だけれども、怒りを含んだような冷たい声。

背中に冷や汗が走り、アカネくんの魅力と冷酷さに鳥肌が立つ。
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