最強少女は男装幹部
 「俺たちはな、お前がここで叫んでいるのを聞いたんだよ。それはどう言い訳する気だ?」

 「、、、見間違いじゃない?」

 「ほう。お前の特徴的なピアスをつけた人間が他にもいるって事か?奇遇だな」


 反射的に、思わず自分の右耳にぶら下がるピアスに視線を流してしまう。

ギリギリ視界に映らないが、今でも光を当ててキラキラと光っている事だろう。

 兄から貰った、プレゼントが仇になったのだ。


 ゴミ箱に捨てかけて、それでも付け続けているロングピアス。

女の子らしくて、あまり好きではないデザインの物。

なのにも関わらず、三年生になるまでの三年間、共に時を過ごしている。


 ヤンキー達の間ではロングピアスは不評らしく、付けている者は少ない。

多分、揺れるのが鬱陶しいのだろう。それか、喧嘩中に千切れてしまうとか。

だからこそ、俺のピアスは目印の様にもなっていた。
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