最強幹部のアカネくん、実は女の子

　「有り難うございます。来週までに決めておきます」

　「そう。じゃあ私は帰るわ。こんなところ、長居したら腐っちゃいそう。」

　余計な一言を加えながら、玄関に向かっていく義母。

素直な背姿を見て、安心した。

やっと、この地獄みたいな時間が終わる、、、、

　
　ふぅ、と気付かれないように息を吐く。

今まで、ずっと呼吸を止めていたかのような緊迫感があった。

一安心していると、義母は去り際に一言放った。

　「あなた、その男みたいな格好、やめなさい。気持ち悪いわ」

　そう言って、バタンッと重い扉を勢いよく閉めていった。