最強少女は男装幹部

とある非行少女の夜

 というのが、1時間前のことだ。

あの1時間で、嫌な事が幾つもあった。

 過去の事、家族の事、転校のこと。

 情報量が多すぎて、纏めるのに時間が掛かった。


 布団の上から、上半身のみを起こす。

 机の上に置いてある紙袋を睨みつけ、強く拳を握った。

急に凸ってきて転校しろとか、常識の欠片もないのか?

しかも、いちいち嫌味ばっか付け加えて。

 私の惨めな姿を見て笑う、悪趣味な奴。


 頭の中を負の感情が跋扈し、どんどん堕ちていく。

真っ黒な渦に飲み込まれてしまったみたいに、グルグルと思考が荒れ乱れる。

 死にたい。いや、彼らに死んで欲しい。私は一切悪くない。

あいつらが死んだ方が、世間は綺麗になる。

 
 どんどん堕ちていく中、一つの選択が、私に迫ってきた。

 『今から、街に出る?』

 今から街にでて、落ち着くまで暴れ狂う?

そうしたら、全てがどうでも良くなれるよ。

 そうだ。ここに居ても意味はない。

 私は夜の世界に出かけることにした_____
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