最強少女は男装幹部
 しかし、やはり辛い時は多い。

 人前で格好つけて飲むコーヒーは苦いし、頭がいいフリをして話さなければならない。

シズルは滅茶苦茶頭がいいので、時々言葉の使い方が違うと指摘を受ける。

 その度に屈辱を味わうのは、心にくる。


 虫も全然無理だが、平気なフリをしている。

まあ、ゴキブリが出たらさすがに叫ぶが、、、

 、、、、ん?

 
 視界の端に、茶色い何かが映った気がした。

なんだろう、と思い床を見る、、、


 「うわあぁぁぁああ!?虫!ゴキブリ!きっm、こっち来たあぁぁああ!!!」

 黒い光沢を放つソレは、デカデカとした立派なゴキブリだった。

思わず声作りを忘れ、大声で叫び散らかしてしまう。

 
 反射的に飛び上がり、大きく動いた肘が机の上のマグカップにぶつかる。

本も思わず手から落ちてしまうが、そんなの気にしている余裕もない。

 椅子の上に立ち、床から離れる。
 
 ゴキブリは上に登れるとか飛べるとか知らないが、取り敢えず床から離れなければ!
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