最強少女は男装幹部
 母は、最後まで私を愛そうとしてくれていた。

その事実を思い出して、死にたい気持ちだ。

自分を責め立てたい。自分は死んだ方がマシだと思えてしまう。

 
 そう。こうなることがわかっていたから、母を悪人にしたんだ。

輝きを放つ思い出すら打ち砕いて、私が深い後悔の海に溺れない様に。

自分を生かす為に、人のせいにした。


 なんという愚行。真の醜態はこれだ。

自分が助かるためだけに、自分の行いを正当化させるためだけに、故人を悪人にした。

もう会えないというのに。無神経すぎる。


 『母のせい』という口癖は、私の最大の盾だった。

でも、今やそれは私を深くえぐる刃だ。

 ごめんなさいでは許されない。すみませんで許されるべきじゃない。

 私はなんと醜いのだろう____
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