最強少女は男装幹部
 軽口を叩き合って、少しずつアカネくんに惹き込まれていって。

最初は血の通っていない、神様だと思っていた。

でも、今はそうじゃないと思う様になった。

 
 彼はれっきとした人間で、脆い心を持っている。

話しているうちに、そんな当たり前のことが分かる様になってきた。

彼は異質だけれども、しっかりとした人間だ。


 生々しい心だって持ってるし、温もりもある。

そんな彼が大好きで、初めての親友だと思えた。

 
 「アカネくんどんな感じ?」

 「寝てますね。さっきおにぎり食べたら寝ちゃって」


 屋上の隅で並んで体育座りをする僕たちに、シズルさんが聞いてくる。

今は昼過ぎの屋上で、各自好きなことをしていた。

 こんな風に、総長とシズルさんはアカネくんに付き添ってくれる。

僕が四六時中見守っているので心配しなくてもいいのに、二人は付き添ってくれる。

 『アカネくんにお世話になっちゃったからね』とシズルさんは口癖の様にいっていた。
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